The Besnard Lakes 「The Besnard Lakes Are The Dark Horse」

Besnard Lakes Are the Dark Horse

Besnard Lakes Are the Dark Horse

モントリオール出身の6人組による2作目。初めて聴きました。


ジャンルで言えばポストロックに当たると思うんですが、他のバンドとは違った面白さがあります。通常のバンドサウンドに加えてホーンやストリングスを巧みに足し引きしながら展開し、空間的な奥行きのあるサウンドスケープを紡いでいくんですが、その音を切り替えるタイミングが凄く絶妙なんですね。不意にハッとする瞬間が何重にも仕掛けられていて、次はどんな場面になるのかといった期待が自然と生まれてくる。そして全体を覆うムードは優しくて力強い、ホーリーな昂揚感。どの曲でも緩やかにカタルシスを作り上げていく一方で、中心にあるメロディの情感や、歪みの効いたギターを筆頭にロック的な音の重さにもちゃんと気を配ってるという。その繊細さと大胆さでもって鳴らされるサウンドはなかなか聴き応えあります。特にゴスペルのようなコーラスまで重層的に織り込み、荘厳な厚みで昇りつめていく 「Devastation」 「Because Tonight」 はまさに圧巻。スペーシーで実験的、かつ外向きのポジティブなパワーに溢れたインディーロック。カナダらしいと言われればそうかも。


Rating: 8.2/10
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