P-shirts 「Heartland」

Heartland

Heartland

5人組による4年ぶりの3作目。


イントロを経てのオープナー 「Apathy」 は獰猛なガレージロックで意表を突かれますが、それ以降は穏やかにたゆたうポストロックと実験的な音響インストがメイン。通常のバンドサウンドに加え、管弦楽器やレコードのノイズ音などを効果的に添えながら、物語を読み聞かせるようにゆっくりと優しく、自分達の音世界を展開していきます。また 「Witch」 ではジャズ、 「Villege」 ではアイリッシュトラッドを取り入れたりと、様々な色分けを試みながらアルバム全体を組曲的に構成する、その手腕はまさしく職人的で、鳴らされる音の一つ一つに対しても徹底的な拘りが貫かれてるのが感じられます。でも嵐のような轟音を撒き散らす 「Matador」 「Minotauros」 辺りはモロに Mogwai を想起させるし、ポストロックとしての目新しさは無いのかもしれない、それと高尚な芸術性をアピールしすぎて鼻につくことも時たまあるんですが (音響ポエトリーリーディングの 「The battles of head noise」 とか特に) 、イマジナティブで幻想的、かつストイックなドラマ性に特化したそのサウンドは十分な吸引力を持ってると思います。 Mono とか好きな人はどうぞ。


Rating: 7.4/10
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