THE BUG 「LONDON ZOO」

London Zoo

London Zoo

ロンドン出身、 Kevin Martin を中心とするユニットの3作目。初めて聴きました。


所謂ダブステップとラガ/ヒップホップを掛け合わせた先鋭クラブサウンド。特に土着的なラガテイストが強いのが一番の特徴ですね。ラガと言うと脳天気で脱力したイメージがあるかもしれませんが、このアルバムは全くもって逆。コシの強いビートとダブの深遠な奥行きによってアンダーグラウンドな胡散臭さが強調され、ガンジャの煙の向こうから鋭い眼光で睨みつけてくるような危険なムードが蔓延してます。前半は 「Angry」 「Insane」 など挑発的なアジテーションで攻め、後半に進むに従ってズブズブ泥沼に沈んでいくような陰鬱さが増してくる。 「Too Much Pain」 ではまさかの日本語ヴォイスも飛び出し、明確にこちらに向けられた悪意に思わずゾクゾクするわ。同じダブステップでもひたすら内省の淵に向かっていた Burial とは違い、こちらは確実にベクトルが外向きな、攻撃性を強化するためのケンカ腰のダブ。また多彩なヴォーカルゲストを各曲に招いており、そのいずれもひどく強烈な個性を放ってるはずなのですが、トラックの上にスムーズに調和してしっかりトータリティを保ってるのも良い。なかなか面白く聴けました。


Rating: 8.0/10
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