MALAJUBE 「LABYRINTHES」
- アーティスト: Malajube
- 出版社/メーカー: Dare to Care
- 発売日: 2009/03/31
- メディア: CD
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複雑に練り込まれたコーラス/ハーモニー、ピアノやシンセの音色も効果的に導入してパノラマ的な広がりを見せる、その鮮やかなスケール感とインディバンドらしい捻れたインテリジェンスが融合した、一筋縄ではいかない魅力は今作でも健在です。ただ前作 「Trompe-l'oeil」 はヤケクソとも言える勢いと優しい感傷が入り混じるアッパーな作風だったのが、今回は何処かミステリアスな陰り/枯れた哀愁を帯びたレイドバック気味の内容になってますね。衝動よりも緻密な構築性を重視した感じで、特に 「Casablanca」 「Dragon de Glace」 なんかのアンニュイな落ち着きを感じさせるムードは前作には無かったもの。それが新鮮であると同時に少し寂しくもあったりするんですが、例えば 「Ursuline」 で見せる70年代ハードロック風セッション、 「Les Collemboles」 のカオティックなアウトロから嵐の後の静けさのような 「Heresie」 へと繋がる流れなど、決してこじんまりとしすぎずこのバンド特有のダイナミズムはしっかり残されてる。より統制のとれた形で奇妙な味を楽しめる、面白い内容だと思います。