MARTYN 「GREAT LENGTHS」

Great Lengths

Great Lengths

Martijn Deykers によるソロユニットのデビュー作。


所謂ダブステップに属するらしいですが、もはや 「ダブステップと言えば Burial が代表」 とインプットされてる俺の頭はとっくに時代遅れなのかと思わずにはいられない、それくらい Burial とは質感が違う。ジャンルの定義って難しいにゃー。仄かな憂いを感じさせるメロディや研ぎ澄まされた緊張感、それらが内省の淵へと沈んでいくようだった Burial と比べると、こちらはスピード感を重視したスタイリッシュな作風で、ある意味正しくクラブ向け。ハウス風4つ打ちや2ステップ由来のシンコペなど様々なリズムパターンを駆使し、厳選された音のテクスチャーを立体的に組み合わせて自由自在に展開する、まるで車の中から目まぐるしく移り変わる景色を眺めてるようなサウンド。もちろんダブステップ特有のダークかつシリアスなムードは残されてますが、それよりもクールに疾走する流麗さの方が印象としては強く、ベクトルは確実に外向き。終盤になると若干ダークネスが色濃くなってはきますが、前半の 「Krdl-T-Grv」 「Right? Star!」 や 「Elden St.」 なんかは特にその直線的ダンスグルーヴが心地良く、グイグイ聴き進められる。色んな意味でなかなか面白い作品でした。


Rating: 7.6/10
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