MUSE 「THE RESISTANCE」

The Resistance

The Resistance

約3年ぶりとなる5作目。


脳内ワールド膨張しまくりの誇大妄想っぷり、また Matthew 王子のシアトリカルなヒロイズムは今作でも留まるところを知らず。なおかつ前作 「Black Holes And Revelations」 ではシンセ類が前面に出てポップになったという印象がありましたが、今回さらにシンセの占める割合が増加するとともにオーケストレーションも大々的に導入し、クラシック由来の幻想的な美しさを打ち出した内容。シンフォニックでプログレッシブなオペラロックとしての壮大なスケール感がさらに拡張されており、その過剰な陶酔っぷりにもはや笑いすら込み上げてくる。しかしそのぶんギターの音圧は後退し、全体の音像が纏まり良く洗練されたのが逆に楽曲の密度を薄くしてしまってる感があり、どうも大仰なハッタリ効かせてばかりで実際は安っぽく薄っぺらい、という悪い印象がついて回るのですね。横に広がり過ぎたぶん奥の深さが無いと言うか。確実にミューズ以外の何物でもない個性は十分感じられるんですが、あくまでもロックとしての肉体的な強度を高めて己の方向性を極めた 「Absolution」 と比べると、どうしても食い足りなさを感じてしまう内容でした。


Rating: 4.6/10
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