TAKEN BY TREES 「EAST OF EDEN」

East of Eden (Dig)

East of Eden (Dig)

スウェーデン出身、 Victoria Bergsman によるソロユニットの2作目。初めて聴きました。


アコースティックギター、パーカッション、フルート、シンセといった楽器群がフォークトロニカ的な構成の下で折り重なり、中東エキゾチックな雰囲気を醸し出すオーガニックポップス。あどけなく清涼感のある女性ヴォーカルと音数少なく隙間を大切にしたアレンジで、どの曲でもそこはかとない無常感、侘び寂びの世界とも言えそうな優しさ/静けさを湛えたムードが印象的です。 「Anna」 「Greyest Love Of All」 のような比較的暖かみのある曲調でも背後には深遠な憂いを漂わせており、例えるなら Suzanne Vega や Stina Nordenstam なんかを彷彿とさせる感じ。素朴なトラッド感がありつつ決して手の届かないような高潔なイメージもあり、その幻想的とも言える繊細さに思わず陶然としてしまう。あと意表を突かれたのが Animal Collective 「My Girls」 のカヴァー 「My Boys」 。本家の原色サイケデリアがゴッソリ抜けた代わりに、可愛らしく跳ねるトイポップ風の遊び心でほのぼのするという、面白い解釈だと思います。9曲32分という控え目なボリュームもこの方向性に合ってるし、スッキリ落ち着いて聴ける好盤ですね。


Rating: 7.4/10
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