Low 「C'mon」

C'mon

C'mon

ミネソタ出身の3人組による、約4年ぶり通算9作目。


「来いよ」 。何とも潔いタイトルですが、何かを受け入れ、許容しようとするその言葉は彼らのイメージにしてみれば少し意外な気がします。その対象が敵なのか味方なのか、喜びなのか哀しみなのかは分かりませんが。ただ、今作で鳴らされてる音はとても優しく、美しい。前作 「Drums and Guns」 は音響、楽曲、作品テーマのいずれもストイックでビターな仕上がりだったのですが、今回はスウィートとも言えるメロディの素朴なポップネス、オルタナティブな刺々しさを備えつつファジーに溶け合うアンサンブルの心地良さが前に出ており、非常に耳に馴染みやすい。教会を改造したスタジオでレコーディングされたとのことで、そのナチュラルな音響効果も楽曲の暖かみに寄与してるかもしれません。可愛らしいベルの音がクリスマスの祝祭のような華やかさを演出する 「Try to Sleep」 、物悲しげなハーモニーの流麗さが一層際立った 「Especially Me」 、破裂するようなラウドギターを絡ませて何処までも高みに昇るスケール大きな長尺曲 「Nothing But Heart」 など10曲。彼らのカタログの中でも比較的受け皿の大きなアルバムだと思います。


Rating: 7.8/10
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