And So I Watch You From Afar 「Gangs」

Gangs

Gangs

北アイルランド出身の4人組による、2年ぶり2作目。


遠くから見てるというより、近くで締め上げてる感じ。このバンドもポストロックの範疇に入るサウンドだと思いますが、彼らの場合は肉感的な力強さがキモにあります。威勢の良い掛け声とともに放たれるその音は硬く引き締まった鳴りで、タフな骨格を持っており血肉に響く即効性が強い。もちろんポストロックならではの空間的に膨張する轟音がありつつ、オルナタティブロックのささくれだった荒々しさ、場面によってはそこから HR/HM に通じる豪快さにも突っ込む。 「轟音」 のテクスチャーを様々に変化させながら、緊張と解放のうねりをダイナミックに表現するギターサウンド。リズムもそれに呼応し、ファンキーな躍動感を放ちながらゴロゴロ転げ回ってアンサンブルのボトムを支える。特にシームレスで繋がれた冒頭3曲の息もつかせぬ展開には強く痺れさせられました。テクニックと初期衝動が互いをブーストし合い、空気が弛緩することなく刹那的な爆発を繰り返す。後半ではより展開がマニアックに入り組み、アブストラクトな音も増してなおその音世界を深めていく。残響レコード勢などが好きな人ならジャストでしょう。


Rating: 8.2/10
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