Wolves In The Throne Room 「Celestial Lineage」
- アーティスト: Wolves in the Throne Room
- 出版社/メーカー: Southern Lord
- 発売日: 2011/09/13
- メディア: CD
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美しき濁流。所謂デス/ブラックメタルのバンドではありますが、その音像は高速ツービートやデスヴォイスの怨念めいた激しさがありつつ、ポストロック/シューゲイザーにも通じるアトモスフェリックな轟音テクスチャーを取り入れ、音全体にヴェールを被せたようなしなやかさ、包容力があります。メタルらしいガチムチの肉感的ダイナミズムよりも、表現したい感情/世界観を重視した故のサウンド設計。またオーケストラルなシンセサウンドや女性クワイアも導入し、そのダークな情念が地を這うような禍々しさばかりではなく、真摯なエモーションとしてストイックに突き詰められ、壮大な神々しさにまで昇華されているように感じます。前作 「Black Cascade」 よりもバンドサウンド以外の装飾が多く、短尺の SE 的楽曲も挟むことで音世界に奥行きが増し、より深遠となった構築性。ラスト 「Prayer Of Transformation」 に至ってはクラシックにも似た荘厳さ、圧倒的なまでの悲壮感が重苦しく響いてくる。タイトルは 「神聖なる血筋」 ということですが、果たして聖性とは何なのか。それはエクストリームな表現の果てに潜んでるものかもしれませんね。