FFS 「FFS」

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FFS(デラックス・エディション)(初回生産限定盤)

FFS(デラックス・エディション)(初回生産限定盤)

Franz Ferdinand と Sparks によるコラボバンドのデビュー作。


いきなり畑違いの話してアレですが、先日の筋肉少女帯人間椅子HR/HM という大まかな共通項がありながらも、各々のバンドの特色、プレイヤーの個性がキッチリ反映された好企画でした。同じ景色を違ったタッチで描いた時に生まれる差異、その妙味。それはこのコラボ作でも共通しています。かたや XTC の時代から連綿と継承された英国産ポストパンク、かたや米国の片隅にひょっこり生まれ落ちたニューウェーブ・ミュータント。洒脱でクール、なおかつ軽妙なヒネリの効いたポップ感は共通していますが、常にジェントルに振る舞うフランツと、常に何かを演じ続けている奇矯なスパークス。この微妙な差異がブレンドされた今作は、知的でセクシー、また幻惑的でもあるシアトリカル・ポップとして結実しており、何処から何処までがどちらのバンドかを真っ二つに判断するのは不可能です。 「Johnny Delusional」 や 「Call Girl」 といったリードトラックはフランツの近作と比べても出色の出来だし、なんだか悪い夢のように音が入り組んだ 「Collaborations Don't Work」 、人を食うにもほどがある 「So Desu Ne」 など、極めてスムーズに聴き手を迷宮へと誘う12曲。

Rating: 8.1/10



FFS - Johnny Delusional (Official Video) - YouTube