モーモールルギャバン 「シャンゼリゼ」

シャンゼリゼ

シャンゼリゼ

約3年ぶりとなるフルレンス4作目。


しばらくライブ活動を休止していた彼ら、インタビューによるとその休止期間は完全にオフだったとのことで。メジャーに移籍してからは音数を詰め込んだりギミックを駆使しながら、若さ故のこじらせたモラトリアムをコミカルに、しかし目一杯の力みを入れながら歌っていた彼らは、実際のところ自分自身をかなり消耗させながら活動していたのかなあと。そして少しの息抜きを挟んでの今作は、各メンバーの出す音をタフに鍛え上げ、それ以外の装飾はなるべく排除。いつもの濃厚さをそのままに、いくらか肩の力が抜けて風通しの良い作風に仕上がっています。特に前半はとても良い。ほんのりセンチメンタルなメロディをゲイリーが歌うと、妙にとぼけた脱力感と情けない男の哀愁が滲み出る、この甘く苦い味わいこそがモールルのそもそもの魅力なのですよね。その点で 「クレイジーベイビー」 「紅のベッド」 あたりとてもグッとくる。あとはユコが歌う終盤の 「N」 では彼らがかつて西のクラムボンなんて形容されていたことを思い出したり、 「バイララ」 の歌詞が良い意味でひどくて笑ってしまったりと、憎めなさは相変わらずのモールルなのでした。

Rating: 7.9/10



モーモールルギャバン "さらば人類" (Official Music Video) - YouTube