mouse on the keys 「the flowers of romance」

the flowers of romance

the flowers of romance

6年ぶりとなるフルレンス2作目。


荘厳かつ流麗なピアノと、激しい荒ぶりを見せるドラムによる新型ジャズサウンド。彼らのその基盤は揺るがずに、今回はピアノ+ドラム以外に新しい音色を添えて、音世界の拡張を図ろうとしている場面が目立ちますね。ライブ等では以前よりサックスを導入したりはしていましたが、今回はジャズよりもむしろエレクトロニックな方面への意識が高まっているように思います。勇壮さを感じるメロディラインが印象的な 「leviathan」 、人力 IDM とでも言うべき音像で静謐と緊張感を湛えた 「mirror of nature」 、環境音風ノイズを組み合わせてポストロック的な広がりを見せる 「dance of life」 、ストリングスを交えてより一層シリアスな重みを増した表題曲 「the flowers of romance」 など10曲。曲毎に様々なアイディアを効かせながらも、ジャズ特有の深い夜を思わせるシックな色味は一貫しており、多彩になったというよりは楽曲の深みが増したという印象。パッションを内包した美しさという彼らのアンサンブルの本質よりも、前衛的な側面を強めたのは好みが分かれるかとは思いますが、強く地を踏みしめた着実な前進であるのは確か。

Rating: 7.2/10



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