BOOL「OMOSHIRO DARKNESS」

OMOSHIRO DARKNESS

OMOSHIRO DARKNESS

ポエムコアのオリジネイターによる、約1年ぶり2作目。


これを聴いていたのは休日の昼下がりでした。もうすぐ雨が降り出しそうな空模様だったのでこの作品にはちょうど良かったかもしれません。world's end girlfriend を筆頭に Virgin Babylon 関連のプロデューサー勢が提供したトラックは、乱雑に散りばめられたフリーキーな音の飛礫が深くミステリアスな雰囲気を生み出し、聴き込むほどに吸い込まれてしまいそうな奇妙な磁力を放っています。しかしその実験的トラックに乗って呟かれる BOOL のポエムは、どうしようもない下ネタまじりの不条理でナンセンスな創作ストーリー。かつて松本人志が「ごっつ」などのコント内で見せていた、ブッ飛んだ設定の中で悲しみや怒り、やるせなさをジワジワと笑いに転じていく手法、それをアンダーグラウンドエレクトロニカ界隈でやってるわけです。今作の中枢を担う「バナナくん」だけでも胃もたれを起こしそうな質量を持っていますが、やたらと勇壮で男らしい「闇ヲ走ル」や甘いムードの「ギャルEYES」など、ポエムの内容に相反する真っ当な音楽性の高さにいちいちイラッとさせられる16曲。半ば意地で最後まで聴き通し、ぼくは貴重な休日を無駄にしたのでした。

Rating: 5.2/10



BOOL - ポエムコア体操(Lyric Video) アルバム"OMOSHIRO DARKNESS"(12/24発売)より