モーモールルギャバン「PIRATES of Dr. PANTY」

PIRATES of Dr. PANTY

PIRATES of Dr. PANTY

1年ぶりリリース、ミニアルバムとしては3作目。


まだパンティーネタ引きずるのかよ。まあそれはともかく、過度な装飾を控えてメンバー3人の生身の音にフォーカスした「シャンゼリゼ」の方向性を引き継ぎ、今作でも彼らのアンサンブルの妙味を楽しめます。自分にとってはやはり、モーモールルギャバンとはゲイリー・ビッチェなのですね。シンプルなセットながら全身の躍動、また細やかなニュアンスの息づかいも確かに伝わるドラミング。バックグラウンドに The WhoLed Zeppelin があるというのも大いに頷ける、しなやかかつダイナミックなプレイには常に耳を惹き付けられる。そこに絡むユコ=カティの鍵盤、マルガリータのベースも様々なエフェクトを駆使しつつ、確かなテクニックでグルーヴを助長させる。この各プレイヤーの生々しさ、アンサンブルが一丸となって生み出す熱量というのは、さすが現場叩き上げの猛者たちといったところ。ただまあ今回、楽曲自体はどうも出涸らしというか、従来のモーモールルギャバンのイメージから一歩も外に出ないし、以前ほどのメロディの冴えも見られなくてかなり食い足りないな…。残念ながら同じ地点での足踏み感は否めない。

Rating: 5.0/10



モーモールルギャバン"Dr.PANTY " (MINI ALBUM「PIRATES of Dr.PANTY」収録)"