TK from 凛として時雨 「彩脳」

彩脳 (初回生産限定盤)(特典なし) 限定版

TK（凛として時雨）によるソロユニットの、3年7ヶ月ぶり4作目。

やったら過剰に感じる。まあ TK の作る音楽が過剰なのはデビュー当初からそうなのですけども、今作は尚更。ヒステリックなハイトーンヴォイスや技巧派ギタープレイをフル活用し、性急な速度で鋭く突き刺さってくる彼ならではの音像。このソロワークではそれに加え、エレクトロニクスや管弦楽アレンジ、ゲストシンガーも加わってさらに特盛りの情報量。スリーピースのバンド編成から逸脱した手法を試みるのがソロ活動の一番の意義なのだと思いますが、そもそも TK の作る楽曲はバンドにしろソロにしろ、基本的な作曲フォーマットがほとんど定まってしまっていて、軸となるバンド演奏、メロディに何を上乗せするかという装飾以外の差異がどうも見え難いのですね。さらに今作は既発シングルが全体のほぼ半数を占めているというのもあり、彼にとっての王道、一番の得意技の応酬。曲毎に見ればソリッドな緊張感があって刺激的だとは思いますが、アッパー曲でもスロウ曲でも色味が似通っているので、過積載の密度が冗長に感じられることの方が多い。これこそが TK だと言われれば確かにそうなんですが、押し引きのバランス感覚を欠いているように思いました。

Rating: 5.1/10

TK from 凛として時雨 『copy light』