無限マイナス 「死んだはずの僕の旅行」


元 COCK ROACH の遠藤仁平を中心とした4人組のデビュー作。


1曲目 「死者列車」 がいきなり圧倒的。アコギ×ヴォーカルが2人、そこに土着的なパーカッションとエレクトロニクスで色を添えていくといったスタイルなんですが、切ないメロディとアコギの音色、存在感のある歌声に無常感漂うダークな歌詞、それらが一体となって強く引き込んできます。次の 「蝿とイチゴ」 「夏の名残り」 はほのぼのなフォーク曲で意表を突かれるけど、単純に良い曲。そして 「右脳ガム」 でまた一転。トライバルな躍動とエレクトロニカが絶妙に混ざり、歌詞は超サイケ。また肉片舞い散るフォルクローレ 「アンダレイ」 、まさに悪夢そのものを描いた 「又、夢。」 と、このバンドの狂気が一気に露わになってきます。さらに 「太陽の子供達」 でドロドロの力強さを示し、 「夢遊旅行」 では再度切なさを滲ませながら闇の中に消えていく。決して余所見を許さない濃い流れ。遠藤氏は情念を宿したような深い声で、朝比氏は何処かとぼけた感じの声と、それぞれを使い分けて曲ごとに明確なカラーを与えてるのも良いですね。あまりにも人間臭い新型フォークソング集です。


Rating: 8.8/10
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