FLYING LOTUS 「LOS ANGELES」

Los Angeles (WARPCD165)

Los Angeles (WARPCD165)

カリフォルニア出身の DJ 、 Steven Ellison によるソロユニットの2作目。初めて聴きました。


ある意味 Warp らしいと言えば Warp らしい、 IDM サウンドとエレクトロ・ヒップホップの融合。ちょうど Prefuse 73 に通じる感じですかね。ミステリアスな雰囲気を醸し出す上モノと主張の強いビート、それらが思いのままにブツ切りにされて空間的に散りばめられ、聴き手を突き放す無機質さと肌に纏わりつくような生々しさを併せ持った、何だか奇妙な作風に仕上がってます。規則と不規則を気ままに行き来するビートはこの上なく自由奔放で、ひたすら神経質にツボを外してグルーヴの心地良さを意図的に除去したり、かと思えば中盤 「COMET COURSE」 「PARISIAN GOLDFISH」 等では比較的分かりやすいグルーヴでアゲてみたりと、まるでヒップホップというジャンルで包括されるギリギリの場所を攻めてるかのような挑戦的姿勢。なおかつ全体を覆うムードはクールで不穏という。ゴスと言うほど抒情性があるわけではないですが、一瞬享楽的になってもえらく冷めた視点は変わらない、ストイックなダークネスがそこはかとなく漂ってます。そういった実験性を踏まえつつフリーキーで多彩なネタをポンポン放り込むといった感じで、なかなか面白く聴けました。


Rating: 7.2/10
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