CAMERA OBSCURA 「My Maudlin Career」
- アーティスト: Camera Obscura
- 出版社/メーカー: 4ad / Ada
- 発売日: 2009/04/21
- メディア: CD
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グラスゴー出身で大所帯バンドと言えば Belle & Sebastian が思い浮かびますが、音の方もベルセバとの共通項が多数。牧歌的で暖かなメロディに肩の力の抜けた演奏、柔らかく輪郭の滲んだ音作りと、60年代辺りへのノスタルジーや憧憬を隠さないインディポップロックの応酬であります。洗練や実験性とは真逆を行くレトロ趣味全開の作風ですけども、それが単なる後ろ向きな思い出浸りには終わらず、また斜に構えてセンスの良さをひけらかすスノッブ臭さというのもなく、己の趣味嗜好を大切にしながら、ただ単純に普遍的な 「良い歌」 というものを目指してる印象があって、そこが良い。ストリングスやホーンセクション、オルガンの音色なども素直に取り入れて、素朴な中にも華やかさを打ち出したアンサンブルはとても耳に馴染みやすく、無理なくスッと引き込まれます。個人的には優雅なストリングスが涙腺を緩ませる 「Careless Love」 と、サイケデリックな音の密度が増すとともに郷愁度も増して響く表題曲 「My Maudlin Career」 が特にお気に入り。バンドの持ち味を自然体で打ち出した好盤ですね。