TYONDAI BRAXTON 「CENTRAL MARKET」

Central Market (WARPCD184)

Central Market (WARPCD184)

Battles のギタリストによる7年ぶりソロ作。ソロの方は初めて聴きました。


Battles 本隊の音楽的中枢を担ってるというだけあって、パズルみたいに様々な音を配置し、ミニマルに反復させながら徐々に展開していく所謂マスロック的構成、さらに2007年の 「Mirrored」 で見せた華やかさと力強さ、決して頭でっかちなだけでは終わらない外向きのキャッチーさを見せるという、彼ならではの個性は今作でも健在です。さらに今回は全編にフルオーケストラを起用し、クラシックの要素を大きく取り込んだ作り。 「Mirrored」 で確立した手法をクラシックに組み込み、様々な加工を施されたシンセ/ヴォーカル/ギターが軽やかに広がる管弦楽器とガップリ四つで融合して、プログレッシブな展開で広がっていくという。新種のクラシックと言うと意味的に矛盾してるかもしれませんが、実験性の高いながらもさらにカラフルで大胆なサウンドに仕上がってます。手法的にはほとんど Battles そのままなので意外に新鮮味は薄いのと、ポストハードコアからクラシックに移行した故のある種のスノッブ臭さは完全には拭えないという弱点もありますが、それでも聴き込むたびに新しい発見の出来そうな、十分に刺激的な内容だと思います。


Rating: 7.2/10
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