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血と雫 「雲を掴む」

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雲を掴む (くもをつかむ)

雲を掴む (くもをつかむ)

森川誠一郎 (Z.O.A) を中心とする3人組の、1年ぶり3作目。


先日リイシューされた森川氏のソロ作 「空蝉」 から10年経って結成された血と雫。自分は今作で初めてこのバンドに触れるのですが、かつてとは全く別の境地へと達しています。プログレ/ハードロックの凄味、あるいはノイズ/アヴァンギャルドのひり付くような狂気というのは封印されており、エレキギター1本と簡素なドラムス、そして森川氏の訥々としたヴォーカルという、至極シンプルな編成。 「功徳のブルース」 という楽曲もあるように、ブルースやフォークといったある種プリミティブなスタイルが基盤となっています。一時期は歌詞やメロディを敢えて排除する手法も執っていた彼にしてみると、今作は意外なくらいにメロウだし、日本語の一字一句を丁寧に歌い伝えようという繊細さを強く感じる。しかしながら彼岸の情景を遠くから眺めるような独自の歌詞世界や、音の隙間にピンと張りつめた緊張感は世のフォークソングとは確実に一線を画しています。特に 「黄泉にひびく」 など、後半の緩やかに立ち昇るギターソロでは底無しの沼へと手招きされているような感覚に陥る。飾り気を削ぎ落としてもやっぱり孤高は孤高のままだという証明。

Rating: 7.0/10



血と雫 3rd album 予告 - YouTube