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Aphex Twin 「Syro」

RCMD A

約13年ぶり6作目。


Richard D. James 本人はこのアルバムを差して 「the most accesible one」 と評していたようで、でもまあ変人の言うことなのでどうも真正面からは信じがたい感があったのですが、実際に聴いてみたら本当で逆に驚きました。複雑骨折したような IDM ビートは意外なくらいにダンサブルで、ミステリアスな印象を与える上モノ類はポップな感触がありつつ、彼のアンビエント・アーティストとしての側面も強く表れています。そこはかとない哀愁が流れていて、同時にダークな緊張感も潜んでいる奇妙な感覚。ヘッドフォンで聴くと立体的な音の良さが特に際立って、精度高くブラッシュアップされた音が多角度から迫ってくる、このスリルは肉体的快楽とともに好奇心もくすぐられているような心地がして、とてもクセになる。 「Windowlicker」 の進化系と言えるファンク曲からまさかの正統派4つ打ち、ドラムンやらドリルンやらとバリエーションに富んだ内容で、ここまで聴き手にフレンドリーなリチャード御大は初めてじゃないでしょうか。とは言っても裏側で何考えてるか分からない、ニタニタ気持ち悪い笑みを浮かべてそうな底意地の悪さも随所に垣間見える気がしたり。ゆえの強烈な記名性。

Rating: 8.5/10