椎名林檎×斎藤ネコ+椎名純平 「この世の限り」

この世の限り

この世の限り

ソロのシングルとしては 「りんごのうた」 以来約3年ぶり。


まず 「この世の限り」 は斎藤ネコの指揮によるフルオーケストラ。椎名兄妹のデュエットに始まり、優しくも力強い演奏がパノラマのごとくブワッと広がって、ちょうどディズニーの世界を連想させます。シングル版 「茎」 をさらにミュージカル路線に向かわせた感じかな。とにかく華やか。次の 「錯乱 (ONKIO ver.)」 はラテンジャズ+ストリングス。流麗なクールさと内に潜む熱さが絡んで、むせ返る程に妖艶なムードを撒き散らしてます。ヴォーカルも情熱的でハマってるし、凄く格好良い。そして 「カリソメ乙女 (HITOKUCHIZAKA ver.)」 は軋むような音で不穏さを醸すヴァイオリンや情感豊かなアコーディオン等がそれぞれ激しく主張しながら、退廃的な昭和ロマンを演出してます。 DEATH JAZZ ver. も聴きましたけど、むしろこっちの方が好みかな。総じてえらく演劇的というか、3曲とも自分に似合う世界観を持ってる。昔のようなオルタナ歌謡からずいぶん様変わりしたけど、前衛性とポップ性を掛け合わせるという意味では本質は変わってないのかも。


Rating: 7.6/10
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