STEREOLAB 「CHEMICAL CHORDS」

Chemical Chords

Chemical Chords

純粋なオリジナルとしては 「Margerine Eclipse」 以来4年ぶりとなる新作。


相変わらずのステレオラブです。基本はノーブルかつアンニュイな女性ヴォーカルを主体に置いたフレンチポップなんですが、全体からうっすら感じるアンティーク的で暖かみのある質感や、様々な音をパズルのように複雑に配置した (その上ですっきり流し聴きできる風通しの良さも兼備した) アレンジセンス、そういったマニアックな作り込みがどの曲でも生かされてるので、上辺だけのオシャレ気取りに陥らずに面白く聴ける。あと今回は生演奏の比重が幾分か増していて、キーボードもハープシコードハモンドなどアナログな音色がほとんど。所謂テクノ/エレクトロニカ的な洗練された音は隠れ気味で、そのせいか60〜70年代の古き良きポップロックを彼らなりに再構築してるような印象を受けました。全体的に小気味良く跳ねるリズムが多いのですけど、その中で 「The Ecstatic Static」 「Silver Sands」 「Self Portrait with "Electric Brain"」 は雨降りの午後のような心地良い翳りがミックスされてて特に好み。あとディスコ調の軽やかなグルーヴを取り入れた 「The Nth Degree」 には少し意表を突かれた。そんな感じで随所に聴き所が仕掛けられた佳作だと思います。


Rating: 7.0/10
Links: 【公式】 【MySpace】 【Wikipedia