mudy on the 昨晩 「Kidnie」

kidnie

kidnie

名古屋出身の現役大学生5人組による、2作目ミニアルバム。


俺は去年の MINAMI WHEEL で初めて彼らの音を聴いたのですが、この音源でも印象はあまり変わらないです。トリプルギター編成によるインストポストロックで、ジャキジャキ鋭い音で毛羽立った荒々しさを重視し、変拍子や不協和音による知性/変態性を大いに盛り込みつつ、高いテンションの上で微かに切なさの漂うフレーズを掻き鳴らす。 LITE や te’ などの先人バンドの影響も感じさせるいかにも残響レコードらしい音楽性ではありますが、個々のフレーズをドラマチックで分かりやすいもののみで固め、それらをパズル的に複雑に組み合わせて展開していくといった感じで、良い意味で敷居が低く受け入れやすいです。殺気や緊張感といった点ではまだ少し弱さを感じるし、音が描く独自の世界観を見出しにくいといった難点もありますが、刹那的な感傷が一際冴えた 「marm」 や一点突破的に疾走感を見せたりコロコロ表情を変える 「ASAI」 など、不意に引き込まれる場面も少なからず存在。全体に流れる冷やかでアーバンな雰囲気もなかなか心地良いものだし、今後化けるポテンシャルは十分にあると思います。


Rating: 6.8/10
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