the HIATUS 「Trash We'd Love」
- アーティスト: the HIATUS
- 出版社/メーカー: フォーライフミュージックエンタテイメント
- 発売日: 2009/05/27
- メディア: CD
- 購入: 11人 クリック: 146回
- この商品を含むブログ (138件) を見る
バンド名が 「活動休止」 というのはシャレが効いてますけども、中身は至って大真面目。エルレ本隊のメロディック・パンク路線を継承しつつ、ピアノの美しい音色を取り入れてメロディの爽快感をより際立たせた作りになってます。 「Little Odyssey」 に至ってはピアノ独奏と歌のみという新境地もあったり、純度の高い透明感が全編において強調されてるわけですが、その裏側にはシリアスな陰りや一抹の切なさも感じさせ、単純なポジティブには陥らず地に足のついた説得力を持って聴かせる。ヘヴィな緊張感に貫かれていた 「ELEVEN FIRE CRACKERS」 からの流れを考えれば順当な進化と言えるかと。ただピアノが前に出るとどうしてもパンク由来のラウド感は後退してしまい、その辺で若干食い足りなさが残るのと、ピアノエモというスタイル自体は決して目新しいものではなく、安心して聴ける代わりに新鮮な驚きもないというのが正直な所。それでも細美氏の作風自体にはブレはなく、自分の持ち味を保った上で新バンドとして意義のあるものを出してきたということで、なかなか好感触ではあります。次作でさらに化けることを期待。