ストロベリーソングオーケストラ 「血の濫觴」

血の濫觴

血の濫觴

大阪出身、役者/奏者混合の大所帯バンドによる初フルレンス。初めて聴きました。


冒頭がいきなり役者陣のラジオドラマで始まり、曲中でも随所にモノローグが挿入されたりと、江戸川乱歩/寺山修司/丸尾末広といった昭和エログロナンセンスの影響を強く受けた世界観をシアトリカルに構築。なおかつ楽曲はパンク/メタル/ジャズ/フォーク等々節操なく様々なジャンルを貪り食い、それら全てが昭和歌謡/童謡に通じる和風メロディの下に統合され、極めてエンターテインメント性に富んだアングラロックミュージカル絵巻を展開しています。聴いてる間に筋肉少女帯/人間椅子/グルグル映畫館/犬神サーカス団といったバンド名が脳裏を過ぎり、それら全てが大好きな俺はやはり降参せざるを得ないわけでーすーがー、良くも悪くも隙が無さすぎると言いますか。多彩なヴォーカルにピアノ/サックス/三味線なども交えた絢爛なアレンジ、確かなテクニックを誇る演奏の聴き応え、そういった楽曲の密度の濃さと幅広さが高品質に纏まってる代わりに、キワモノとしての王道を忠実に突き進んでる故の破綻の無さというのも少々気にかかる。まー捻くれたケチのつけ方ではあるんですけどもね。久々にこの手のバンド聴いてほんわか和む俺なのでした。ライブも楽しそう。


Rating: 7.0/10
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