摩天楼オペラ 「ANOMIE」
- アーティスト: 摩天楼オペラ
- 出版社/メーカー: Sherow Artist Society
- 発売日: 2009/10/28
- メディア: CD
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DIR EN GREY のワールドワイドな成功をきっかけに Versailles 、 D 、ギルガメッシュ、 NoGoD 等々 HR/HM を導入したバンドが多く生まれましたが、この摩天楼オペラも然り。彼らの場合はシンフォニックで端正な美しさと壮大なスケール感を前面に出し、確かなテクニックに裏打ちされたヘヴィネスで支え、それらが耽美でキャッチーなヴィジュポップメロディをさらに力強く押し上げるという、どちらかというと D に近いタイプですかね。様式美的な側面が比較的強く、骨格の太いメタリックな音でありつつシンセの透明感が効果的に使われていて、あまり毒っぽさやクセはなく爽快な聴き心地。メジャー感たっぷりのパワーに満ちた楽曲/演奏といい、どの曲も濃さを保ったまま3〜4分で纏める聴きやすさといい、ほとんど隙がない盤石の出来。それは逆に言えば目新しさや先の読めないスリルには欠け、少々優等生すぎるきらいがあるとも言えるわけですが。一際メロディが冴え渡った王道曲 「ANOMIE」 「EVE」 や、盛大に泣きまくるパワーバラードインスト 「Utopia」 といった面白い試みもありますが、個人的にはもう一歩踏み込んでればという感じでした。完成度も良いけど個性も欲しい。
