死んだ僕の彼女 「ixtab」

ixtab

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関東を中心に活動する、男女混成5人組の新作ミニアルバム。初めて聴きました。


死に逝くこと、あるいは死と隣り合わせにあること。 「死」 の表現は禍々しくドラマチックなヘヴィネスであったり、悲しく湿っぽいメロディであるのが主ですが、アーティストは星の数ほどいるので死の描き方も人によって様々。このバンドも強烈な名前が示すように (恋人もしくは自らの) 死を歌いますが、悲壮に打ちひしがれて後ろを向いてるのではない。かと言って前を見てるのかというとそうでもない。何処を見ているのか分からない。その目は完全にイってしまわれております。頭の中には打上げ花火を見た思い出、隣には腐乱死体。イメージのかけ離れた両者がリリカルかつ大胆に結ばれる、歪んだ美しさを持った詞世界。それで楽曲はと言いますと、シューゲイザー直球勝負。オルタナティブな荒々しさと甘美な浮遊感のあるクリーントーンが幾重にも重なる中、男女ウィスパーヴォーカルが可愛らしくポップなメロディをなぞり、そっと微笑みかけるような優しさを見せるけれど、歌ってるのはやっぱり死体とか逃避とか。詞曲含め 「シューゲイザー」 というジャンルのイメージの中に綺麗に収まりすぎてる感はありますが、今後化ける可能性は十分秘めてると思います。


Rating: 6.8/10
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