Lydia Loveless 「Somewhere Else」

Somewhere Else

Somewhere Else

US はオハイオ出身のシンガーソングライターによる、3年ぶり3作目。


彼女は現在23歳という若さですが、バイオを読んだところ10代の頃から家族でバンド活動を行っていたなど、すでに素養は十分蓄えられているようです。今作はアメリカン・カントリーを基調とするオーソドックスなポップロック。しかしながらそこには The BeatlesThe Kinks といったオールディーズの普遍性から、 The ClashBlondie に通じるパンクっ気も微妙に感じるし、アコースティックの親しみやすい暖かみは最近で言えば Belle and Sebastian や Camera Obscura といったインディポップに通じる部分もあると思う。つまりは約50年に渡るロックンロールの純粋な魅力、旨味がシンプルな楽曲の中に凝縮されている、と書いてると何だか仰々しくなってきますね。単純に朗々とした歌声、カラッと乾いた中にも哀愁を感じさせるメロディが心地良い、ただそれだけの至って素朴な魅力であり、それが実に味わい深いのです。できれば歌詞を追いながら聴きたいのですが、残念ながら今は手元にない。それでも彼女が密度の濃い生活の中でいかにクリエイティヴィティを熟成させていたかは何となく分かります。生々しく、瑞々しい。

Rating: 8.3/10