Cocco 「プランC」

プランC(初回限定盤A)

プランC(初回限定盤A)

フルレンスとしては4年2ヶ月ぶりとなる8作目。


オープナー 「パンダにバナナ」 がいきなりの EDM 。 「ザンサイアン」 以降の Cocco は過去のイメージに囚われず、むしろ意図的にその枠を破壊しにかかってる勢いで、とにかく 「自由」 という印象が強いのですが、今作はその自由度をさらに更新しているかもしれません。パワフルで開放的で、彼女なりの言葉遊びなどキュートな面もそこかしこに見られ、結構なはっちゃけっぷり。 「3D」 に至っては EDM 通り越して80年代シンセポップの領域まで突っ込んでるし、 「スティンガーZ」 なんかはもう完全に遊び。その一方で初期を彷彿とさせるダークなオルタナ曲 「ドレミ」 や、歌声のパワーが真摯に胸を打つミドル曲 「BEAUTIFUL DAYS」 「Snowing」 といったエモーショナルな面もしっかり兼備しており、光と影、シリアスとコミカルといった彼女の多面性をアピールする内容。あと抽象的な歌詞の中にも何気に生々しいエロティシズムを挿入してるのも彼女らしさですかね。前の 「パ・ド・ブレ」 がアコースティック主体の方向性だっただけにより鮮烈さが際立ち、彼女の今現在のモードが克明に記録された作品です。

Rating: 8.0/10