Swervedriver 「I Wasn't Born to Lose You」

I Wasn't Born to Lose You

I Wasn't Born to Lose You

イギリスはオックスフォード出身の4人組による、17年ぶり5作目。


彼らもまた90年代シューゲイザーのレジェンドとして括られることが多いバンドですが、当時のグランジブームからも同時に影響されていたからか、シューゲイザーというよりも Dinosaur Jr. や The Smashing Pumpkins などに近いオルタナティブ・ロックンロールという印象が強い彼ら。そのダイナミックなサウンドからは靴ばかり見ているような内省感ではなく、むしろ快活なポジティブさが目一杯に発散されていました。それから世代をひとつ飛び越えての今作は、やはりカラッと乾いたラウドなギターサウンドが保たれていますが、同時に腰をグッと据えたミドルテンポ、そして緻密に練り込まれた不協和音ノイズも注入されたりと、所謂シューゲイザーのトレードマークを敢えて逆輸入しているような面があります。大人びたというか懐古主義というか、90年代の空気感をそのまま切り取ったかのような爆音哀愁サウンドは、テン年代の今だからこそ逆に有効という面もあるかもしれません。ただやはり良くも悪くもジャンルの内に綺麗に収まってしまってる感があり、かつてのフレッシュな勢いが後ろに引っ込んでしまったのは寂しい気もしますね。

Rating: 6.6/10



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