ドレスコーズ 「オーディション」

10か月ぶりとなる4作目。


前作もそうだったけどなかなかにストレートな表題です。ほとんどの作業を志磨遼平ひとりでこなした前作とは対照的に、様々なゲストプレイヤーを招いて作られた今作。ここ最近のライブでも KING BROTHERSTHE NOVEMBERS にジョイントするなど様々な編成を組んでおり、外向きにシフトした現在の彼のモードがそのまま反映されているわけですね。楽曲自体は前作の流れを汲み、程良くワイルドで程良く牧歌的、オールディーズへの憧憬と含蓄がたっぷり。文脈とユーモアを大事にする志磨氏のセンスがつらつらと発揮されたグッドソングの応酬です。全体的にファジーで暖かみのある音作りにも独自のセンス、美意識が貫かれているし、キーボードや管楽器の増量でより一層華やかな仕上がり。しかしピエール中野の喧しいアグレッシブなドラミングは、ドレスコーズの中にあるとなかなか新鮮と言うか違和感と言うか (笑) 。まあ志磨遼平という人はもしかすると必要以上に自己プロデュース力の高い人だから、そこに同じくらいアクの強い異分子がかち合っていった方が面白いものになるだろうと。ドレスコーズという名義の枠組みを拡張した12曲。

Rating: 7.7/10



ドレスコーズ - スローガン(AUDITION VIDEO) - YouTube