V.A.「WHERE, WHO, WHAT IS PETROLZ?」

WHERE, WHO, WHAT IS PETROLZ?

WHERE, WHO, WHAT IS PETROLZ?

初となるペトロールズのトリビュート盤。


リリースやライブをひっそり積み重ね続けて、いつの間にやら12年。このトリビュートに参加している多種多様なメンツを見るだけでも、これまでの彼らの成果がいかに充実したものであったかは掴み取れるかと思います。Suchmos を筆頭とする昨今の渋谷系/シティポップリバイバル勢、または元祖渋谷系に当たる ORIGINAL LOVE 、その他にもエレクトロニカ、ヒップホップ、フォークと多岐に渡る音楽性が集い、ペトロールズの楽曲を緩やかに自らの色味へと移し替えています。ただこれは特に若手のインディバンドに顕著な気がするのですが、良くも悪くも丁寧で生真面目すぎる。確かにペトロールズは洒脱なグッドソングを書くバンドではあるけども、歌詞や演奏のフレーズ、ちょっとしたキメなんかにおいても、思わずクスリとするユーモア、良い意味でのクセや引っ掛かりを要所要所に仕掛ける、ある意味サービス精神の旺盛なバンドだったと思います。ただ単に艶やかなムードをなぞっただけでは彼らの本質は十分に汲み取れないのではないかと。その点で原曲の自由さを最も上手く引き伸ばしていたのは、Rei の表情豊かな歌声が生き生きと光る R'N'R「表現」。

Rating: 7.0/10