Deerhoof 「Mountain Moves」

Mountain Moves

Mountain Moves

サンフランシスコ出身の4人組による、1年3ヶ月ぶり14作目。


ディアフーフを聴く時はいつも頭の中に?マークと!マークがたくさん浮かび上がります。8ビートを解体/再構築した歪なリズムパターン、展開が読めないトリッキーなアレンジに童謡のような輝かしいメロディ、そしてまるっきり棒読み状態なサトミのゆるふわヴォーカル。この実験性とポップネスの掛け合わせは緻密な計算というよりもほとんど幸運の産物のような気がして、奇跡を目前にした時の高揚感を常に与えてくれる。そして今作における一番の目玉は多数のゲストミュージシャンの参加。Juana Molina や Laetitia Sadier (Stereolab) を筆頭に、ディアフーフの奔放なセンスに大きなシンパシーを抱いているであろう納得の布陣が揃い、ただでさえ賑やかな彼らの音世界がさらに彩り豊かなものへと仕立てられています。メロディの美しさが特に際立った「I Will Spite Survive」、ファンキーなのにアンニュイな「Come Down Here & Say That」、今作中最も謎のキュートさを見せる表題曲「Mountain Moves」など、いつもの彼女らに備わってる良い意味での違和感がゲスト陣によって一層効果的に引き立った15曲。何故か Bob Marley のカヴァーとかもあります。

Rating: 7.9/10



Deerhoof - Come Down Here and Say That (ft. Lætitia Sadier)