ムック 「殺シノ調ベⅡ This is NOT Greatest Hits」

殺シノ調べII This is NOT Greatest Hits[初回生産限定盤]

オールタイム・セルフカヴァーアルバムとしては初の作品。

実に25年ぶりの「殺シノ調ベ」が完成！でも出したのは BUCK-TICK じゃなくてムックというネタ。この遊び心とリスペクト精神は、まあムックらしいと言えば確かにそうですね。カヴァーの対象は「アカ」や「翼を下さい」といった初期曲から2012年の「シャングリラ」収録曲まで幅広い中から選ばれてはいますが、すでに「新痛絶」「新葬ラ謳」をリリース済みなだけに比較的最近の楽曲がメイン。壮大なストリングスが追加された「儚くとも」、より性急でアグレッシブになった「1979」などは分かりやすい変化だし、その他も原曲とじっくり聴き比べればもちろん差異はあるのですが、全体的にはそこまで印象が大きく異なるほどではなく、良くも悪くも素直なヴァージョンアップに留まってる。そもそも B-T が何故「殺シノ調ベ」を出したかというと、それまでとは音楽的な方向性も制作環境もガラリと変わってきたからであって、その意味では今のムックが「是空」以降の曲をリテイクする必然性が果たしてあったのかという、その根本が疑問なのですよね。20周年企画の一環としては分かるけど、先の「新痛絶」「新葬ラ謳」に比べると意義の薄さは否めないなと。

Rating: 5.9/10