ジギタリス 「SYZYGIA」

SYZYGIA

SYZYGIA

都内を中心に活動している4人組の2作目。初めて聴きました。


1曲目 「ヘキサグラム」 は素直なバンドサウンドと歌のお姉さん的な伸びの良いヴォーカル、すっきりポップで昂揚感あるメロディが気持ち良い佳曲。それで真っ当な下北ポップロック系統のバンドかと思ったら、中盤以降はだんだんクセが強くなってくるから侮れなかったりする。ブックレットにはリルケの詩を引用するなど哲学的、古代神話的なイメージを持った難解な世界観を展開し、清涼感あるヴォーカルも曲によってはクセの強い歌い回しで妙に耳にこびり付く。特にワルツのリズムに乗って演劇的な歌唱が繰り広げられる 「Myrninerest」 、アコギが繊細に響く 「ムーサの神託」 からミステリアスで濃密な空気に包まれる 「一角獣と少女 -pieta-」 へのプログレッシブな流れ、この辺は彼ら独特のスタイル、美意識が最も強く発揮されてます。その一方で前述の 「ヘキサグラム」 や冷やかに疾走する 「青い樹」 、軽快で鮮やかな 「琥珀の杯」 といった耳馴染みの良いポップチューンも兼備してるという懐の深さも好印象。色々凝ったことをしつつも、あくまで歌を大事にしてるといった感じですね。 ZABADAK とか新居昭乃、その辺が好きな人は気に入るんじゃないかと。


Rating: 7.6/10
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