THE CURE 「4:13 DREAM」

4:13 Dream

4:13 Dream

今年でデビュー30周年を迎えるベテランバンドの、4年ぶりとなる新作。


前作 「The Cure」 が初期のダークサイドを現代風にアップデートした作品だとすると、今回はその逆。ポップスターとなった中期以降の、ライトサイドのアップデート版であります。演奏陣はオルタナティブロックの太い骨格を持ちつつ、ニューウェーブならではの耽美的クリーントーンも軽やかに鳴らし、その上に軽薄とも言えるロマンチックで甘酸っぱいメロディ、そして Robert Smith の (キッチリ音程をなぞる気などハナから無さそうな) シアトリカルで自由奔放な歌声が乗れば、ほらもうキュアー以外の何物でもない。ギターの力強く幽玄な広がりとウィンドチャイムの音色がまさしく満天の星空を描く 「Underneath the Stars」 、可憐な切なさが心地良い痛みを残していく 「Only One」 「Hungry Ghost」 、挑発的なキュアー流ロックンロール 「Freakshow」 「It's Over」 、一気に激しい混沌へと飲み込まれる 「Scream」 等々粒揃いの内容。彼らのどういう面が好きなのかによって評価の割れる作品かもしれませんが、30年経ってもこれほどカラフルで艶やかなポップスを演れるというのはやはり凄いことなんじゃないかと。鉄板の魅力をしっかり打ち出した快作だと思います。


Rating: 8.0/10
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