BUCK-TICK 「memento mori」
- アーティスト: BUCK-TICK
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN Inc.(BMG)(M)
- 発売日: 2009/02/18
- メディア: CD
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追求だったり反動だったり作品毎にどう手を打つのか楽しみな御大ですが、今回は 「死を忘れるな」 なんて仰々しいタイトルとは裏腹に、前作のラフなバンドサウンド路線を引き継いだ内容。ザラついた音作りと活きの良いドライブ感で貫かれた演奏、その中で櫻井敦司の歌声がセクシーかつシアトリカルに生と死を綴る、 B-T 流ダークポップロックンロールの応酬です。夜の高速を突っ切るようなスリルで迫る 「真っ赤な夜」 で始まり、頭悪さ全開のギターリフが痛快な 「Les Enfants Terribles」 、昭和 GS 歌謡風の 「アンブレラ」 「勝手にしやがれ」 、さらには沖縄民謡にまで手を出したトライバル怪曲 「Memento mori」 といったアッパー曲が大半。その一方でモノクロの海を漂流するようなフォークロア調の 「Coyote」 、真っ直ぐに輝くピアノバラード 「Message」 、可愛らしく洒落たシャッフル 「セレナーデ - 愛しのアンブレラ」 といった楽曲でライブ的な緩急をつける。後半で若干息切れ感も見えますが、完全な成熟/安定を見せつつフレッシュな現役感もまるで失われてない、鉄板の魅力を十分に打ち出した快作だと思います。このバンド一体何処まで行くのか。