9mm Parabellum Bullet 「Dawning」

2年ぶりとなる5作目。


9mm はメタルか?と訊かれると、それはなかなか微妙な問題です。テクニカルな速弾きやツーバスといったメタルらしい意匠は随所に見られるのですが、それはあくまでも随所。基本は端正な歌謡曲風メロディを素直に立てたギターロックが地盤で、本チャンのメタルと比較するとヘヴィネス、スピードともにどうしても劣って聴こえるからです。ギターリフがダイナミックなグルーヴを醸し出す 「Caution!!」 や、ヤケクソで爆走する 「The Silence」 のような力の入った曲もあるわけで、もっと重く/速くしようと思えば全然やれるはずなのに、敢えてそれをやらないのは何故なのか。メロディをちゃんと聴かせたいという狙いからなのか、下北ロキノン系のファン層を意識してるからなのか分かりませんが、いずれにしても半端にブレーキのかかった、突き抜けきれないもどかしさのような感覚が最後まで残ります。腹8分目くらいで留めて常に余力が残ってる感じ。まーでもデビュー以来の 9mm らしさを完全に確立した上での、手堅い内容に仕上がってるとは思いますが。 「ハートに火をつけて」 はよくこれシングルで切ったなと思うような変な曲で面白い。

Rating: 6.4/10