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FUJI ROCK FESTIVAL '14 3日目

LIVE


3日連続の最終日です。この日は雨が降ったりやんだり、ようやくフジらしい天気になってきました。




PHONO TONES @ RED MARQUEE
この日も必死の早起きで朝一から。各メンバーがそれぞれに本隊のバンドを持ってるためか、随分とリラックスしたムードの4人組インスト。スティールギターを取り入れた楽曲は程良い躍動感があり、和やかなメロディがあり、自然と笑顔を誘うのほほんとしたサウンドです。ただアジカン伊地知潔のドラムはやっぱり本隊同様に、必要以上に小奇麗に纏まってる感がありますね…。高度なテクニックをひけらかすことなく、ほとんど無駄なオカズやトリッキーなプレイを挟むこともなく、スクエアなグルーヴを打ち出す。まあそれが彼の持ち味なのでしょうけど、他のジャムバンドと比べるとやはり洗練され過ぎた故の物足りなさが残るなあと。


downy @ RED MARQUEE
彼らも昨日のノベンバ同様、真っ昼間のステージは似合わないな…と思ってたら朝から続いていた曇り空がここに来てどしゃ降り。やはり彼らは何か持っている。個人的に彼らの復活後のステージを見るのはこれが2回目ですが、レギュラーメンバーを揃えた盤石の構えといったところ。1曲目 「葵」 のスクリーンに逆光で映し出された彼らのシルエットは、すでに異様な雰囲気を醸し出していました。続いて 「弌」 の無機質な歯車の群れ、 「左の種」 の悪夢のようなシュールな情景など、強烈なインパクトのある映像が彼らの世界観を強く観客にアピールする。極めつけは 「曦ヲ見ヨ!」 。変拍子を凄まじいヘヴィさで打ち鳴らすリズム隊の迫力には思わず笑いが出てしまった。彼らは間違いなくハードコアだし、真の意味でオルタナティブなバンドのひとつ。途中キーボードが不調でおそらく演奏予定だった 「春と修羅」 がなくなったのは残念でしたが、代わりに披露された 「Δ」 も文句なしの格好良さだったのでお釣りがくる。彼らも苗場の地できっちりと筋を通し、爪痕を残したかと思います。


OWEN PALLETT @ RED MARQUEE
昨日の Arcade Fire のステージにも参加していたヴァイオリニスト。このソロステージでは完全に彼一人。一本のヴァイオリンと簡素なシンセ類でどういった演奏をするのかと思っていたら、サンプラーを巧みに使ってヴァイオリンの音色をその場で重ねていき、自身の情感豊かなヴォーカルが乗っかるというスタイル。これもひとつのポストクラシカルの形でしょうか。サンプラーを使う手法自体は最近では珍しくなくなってきましたが、単純に彼の紡ぎ出す音、楽曲がとても素晴らしい。緊張感ある空気の中で静謐を湛えた美しさと、エモーショナルな昂ぶりがドラマチックな波を生み出す。狂おしいまでの儚さと力強さが同居する、シンプル故の奥深さが表れた歌の数々。数多くのバンドのストリングスアレンジや劇伴も手掛けているとのことで、もっとゴージャスにも出来ると思うのですが、ここではあくまで彼のパーソナルな核の部分を表現するということでしょうか。たったひとりでこんなに圧倒的な音世界を作り上げることが出来るのかと感嘆しきりでした。 Antony and the Johnsons を彷彿とさせる孤高さすら感じた。


OGRE YOU ASSHOLE @ WHITE STAGE
フジ出演は4年ぶりのオウガ。自分は4年前の時も彼らのステージを見ているのですが、ご存じの通り以前とはほとんど別のバンドと化しています。60〜70年代のクラウトロックやポストロック、 AOR などを取り入れた楽曲はかつてのゆらゆら帝国を連想させる内容。持ち時間50分のうち演奏曲はわずか5曲 (そのうち 「ロープ」 が2曲) 。以前見た時よりもディストーションの比重が高まり、ここぞという時の爆発力が強くなった気がしますが、そこに至るまでの間ひたすら同じフレーズを反復し、緩やかで淡々としたグルーヴがジワリジワリと身体を侵す、インテリジェントなフリして変態性バリバリのサイケデリアが圧倒的。特に印象的なのは 「フラッグ」 でしたね。序盤は原曲の面影ゼロなサイケサウンドをぬらぬらと展開し、重ねた音が密に詰まって溢れ返りそうになったところでオリジナルヴァージョンに移行。この時の高揚感は半端ではなかった。ダンサブルなリズムも演ろうと思えばいくらでも演れるのだけど、敢えてそれをしないある種のサディズムが今の彼らの流儀なわけですね (?) 。一度ワンマンの尺で見てみたいと思いました。


ASGEIR @ WHITE STAGE
アイスランド出身のシンガーソングライター。俺は全然知らなかったんですが巷ではすでに話題のようで、結構な人の数がホワイトに押し寄せていました。サポートメンバーを率いた5人編成で、エレクトロニカ/アンビエント要素を加味した清らかなポップソング。アウスゲイル本人は終始俯き加減で MC らしい MC もなく、ひたすら自らの歌を聴かせることのみに注力。同郷の Sigur Ros を想起させるファルセットヴォイスと、ホーリーな透明感に満ちたサウンド。それが雨上がりの雲間から差す光にぼんやりと照らされて、すっかり夢見心地になっていたのでした。このロケーションとの相乗効果凄い。途中で Nirvana のカヴァーも演ったらしいですが全く分からなかった (笑) 。あまりに心地良くて椅子に深く座ったままおねむの時間へ…。


SBTRKT @ RED MARQUEE
英国出身の仮面テクノアーティスト。ステージ上には仮面が怪獣に化けたようなどデカい人形が…あれ何の意味があったんだろう。サブトラクト本人はテンション高く観客を煽るのですが、楽曲自体はダブステップを基調としたクールで前衛的な路線。 James Blake とかに近い感じか。うーむ、もっと縦ノリで踊れるのを期待していただけに肩透かしだったかな…。さすがに疲れが溜まってるからここで緩いのやられると膝から崩れ落ちて寝てしまうのだよ。


THE FLAMING LIPS @ GREEN STAGE
雨の中椅子に座り込んでボケーっと見てた。さすがに夜になると結構な冷え込みで震えが…。リップスはだいぶ前に 「The Soft Bulletin」 「Yoshimi Battles the Pink Robots」 を聴いたことがある程度だったのですが、それらのアルバムからも演奏してくれて嬉しかったな。極彩色のステージとは裏腹にメロウで静かな楽曲が多く、アッパーなのって 「Race for the Prize」 くらいじゃなかったか。醸し出すドリーミーでピースフルな空気が時には宗教的なレベルに達してて少しウッとなったりもしたのですが、とにかくド派手な演出で見てるぶんには飽きませんでした。なんだか白昼夢を見てるような気分になった。


THE POGUES @ GREEN STAGE
大トリをどれにするか決めかねた挙句、無理して見た Jack JohnsonOutkast のどちらにも馴染めずに敗北し、這う這うの体で再びグリーンに舞い戻ってのクロージングアクト。アイリッシュパンクの始祖ということで最後の気力を振り絞って暴れる気満々で臨んだのですが、メンバーが予想以上にご老体だった (笑) 。アコーディオンやティンホイッスル、バンジョーといったアコースティック楽器を取り揃えたパンクロック、だけど体力の衰えなのか単に飲みすぎてるだけか、演奏は結構なヨレヨレ具合で見てる側が不安になるほど。ヴォーカルはカメラに向かってピースしてみたり、ステージ上で煙草を吹かしては咳き込んで痰を吐いたり、途中で楽屋に戻ろうとして帰るソデを間違えたり、なんかもうやりたい放題というか何というか。どうしようもねえなーと思いつつ何だか憎めないキャラで、音に付き合ってヒョコヒョコ踊ったりしながら夜は深まっていったのでした。


こんな感じで、3日目のベストは Owen Pallett !ほとんどホワイトから奥地に進まないヘタレっぷりでしたが、色々発見もあって楽しかったですよ。とりあえず前2日で真っ赤に焼けた腕が痛すぎるので、来年はちゃんと日焼け止め持ってきます。