world's end girlfriend「LAST WALTZ」

LAST WALTZ

LAST WALTZ

約6年ぶりとなる6作目。


今作のテーマはズバリ「world's end girlfriend」とのこと。確かにここにはオーケストレーション、不規則なノイズエディット、不意にあどけなさを見せるシンセ、そして湯川潮音Piana といった盟友ヴォーカリストの参加も含め、weg を構成する主要素が網羅されています。生々しく歪んだギターがギロチンのごとく降りかかる表題曲「LAST WALTZ」に始まり、様々なテクスチャーが混濁して歪んだ美しさを見せる大曲「Flowers of Romance」、絶対零度の冷たい緊張感が張りつめた「Crystal Chrysalis」、ノイズに塗れたアレンジの中から華やかで感動的なメロディが浮かび上がる「Girl」など。かつての weg のように生音と電子音が境目なく融合してるというよりは、前作「SEVEN IDIOTS」でのハチャメチャな実験性の名残があるのか、クラシカルな優美さを強調しながらもダーティな部分はよりダーティに、美醜それぞれの輪郭をくっきり際立たせたダイナミックな音像。それは昔の作品に慣れた耳には良くも悪くもザックリとしたラフなものに感じられ、聴きようによっては従来的なポストロックの先祖返りのようでもある。集大成のようでいて、過去にはない音。

Rating: 7.9/10



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