Queens of the Stone Age 「Villains」

約4年ぶりとなる7作目。


のっけからめっちゃダンサブルで思わず笑ってしまった。プロデューサーにまさかの Mark Ronson を起用ということで、昨今のポップ隆盛の潮流に彼らなりの対応を見せたのか、しかしながら実際に出てきた音は確かに洗練されたダンスグルーヴを携えてはいるものの、それが単純なセルアウトには向かわず、むしろ従来の彼らの毒っぽさを助長しているように感じるから面白い。オープナー「Feet Don't Fail Me」ではコシの強いファンクビートがブルージーなラウドサウンドと重なって強烈に身体を揺さぶり、続く「The Way You Used to Do」の軽快なブギーも以前の彼らのイメージから考えるとジョークスレスレのような代物だけど、QOTSA ならではの妖しさと憂いを湛えたメロディセンスとは妙に相性が良く、やたらとサマになってるものだから余計に笑いが込み上げてくる。QOTSA が何物であるかを Mark Ronson が十分に把握しており、またバンド側にも(ある種悪ふざけとも取れる)柔軟性が備わっていたからこそ、今回の新境地に向かうコラボが成立したのでしょうね。軽薄なようで濃密に練り込まれた一打一打がズシリとヒットしてくる劇薬デザートポップ。

Rating: 8.2/10



Queens of the Stone Age - The Way You Used to Do (Audio)