Wolves in the Throne Room 「BLACK CASCADE」

Black Cascade

Black Cascade

ワシントン出身の3人組による3作目。初めて聴きました。


こちらもデス/ブラックメタルに属する類の音ですが、先日のアナールとは随分と感触が違う。もちろん憎悪剥き出しの絶叫、高速ツービートにヘヴィギターという基本の骨格は共通してますが、何処かしら霞みがかったような奥行きのある音像、柔らかな音の鳴りが単にアグレッションを強調するだけではない、しとしと雨が降りしきる樹海の中を彷徨い歩くような、ミステリアスなダークネスを全体に醸し出してます。プレイは苛烈極まりないのに音自体はむしろ耳に馴染みやすく、場面によっては重層的な厚みを持って膨れ上がる音の渦がアンビエント的な心地良さすらもたらし、自然とその深い闇の中に飲まれてしまいそうな強い磁場を放っています。さらに楽曲は4曲のみながら全て10分以上という玄人仕様。長い尺の中でひたすらエンドレスに疾走と解放を繰り返してるわけですが、その展開の引っ張りと切り替えの間が上手く構築されていてグイグイ聴き進められる。それでも約50分間スタイルが全く同じなのでさすがにダレそうになることもありますが、その激しくも深遠なサウンドはなかなかクセになりそうですね。


Rating: 7.4/10
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