J Mascis 「Several Shades of Why」
- アーティスト: J・マスキス
- 出版社/メーカー: TRAFFIC/Pヴァイン・レコード
- 発売日: 2011/03/02
- メディア: CD
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オッサンのダシが出てる。爆音オルタナのダイナソー本隊とは打って変わって、全編アコースティックの弾き語りがメイン。アメリカン・フォーク/カントリーに通じる枯れた哀愁、乾いた渋味がジワリジワリと滲み出ています。しかしそこにもマスシスならではの牧歌的なメロディセンス、またギターリフ職人っぷりはしっかり健在。もちろんいつものふにゃふにゃ脱力ヴォーカルも。爆音を抜き去っても彼は彼であると、すっかり確立された個性が飾り気ない素の表情を見せる興味深い内容です。物悲しいヴァイオリンと優しく爪弾くアコギフレーズが印象的な表題曲 「Several Shades of Why」 、少々サイケで幽玄なムードも流れる 「Very Nervous and Love」 、エレキの響きが渋い哀愁をより一層引き立てる 「Can I」 など10曲。歌詞や曲タイトルもいつになくセンチメンタルなものが多かったり、彼なりのロマンチシズムが遠い目をしてここに佇んでる。 「Where Are You」 とか、このオッサンがこの路線で歌うからこそグッとくるような内容じゃないですか。パッと見は情けないけど胸に秘めるものは熱い感じ。男のロマンだ。