101A 「4」

4(ヨン)

4(ヨン)

東京を中心に活動する3人組の、3年9ヶ月ぶり4作目。


基本はポストロックを基調とするアブストラクトな曲構成ですが、そこに詰め込まれたギターサウンドはクリーン、ラウド、シャープ、空間系と実に多彩。低く這いずるような重たい緊張感の中、空間と時間を大きく使いながらも細部に配慮したサウンドデザインは深遠でミステリアス。女性ヴォーカルも言葉を紡ぐ手前で融解するような儚さを持って漂い、イマジネーションをかき立てる。再生してすぐさま彼らの仄暗く神秘的な音世界が広がる 「luminous」 、無常な荒々しさを響かせるセッションが繰り広げられる 「時の岸辺」 、物理的にも精神的にもヘヴィネスを叩き付ける 「5334」 など9曲。少々頭を使いすぎて悪い意味での難解さが出てしまってるのと、手法自体は正直過去にも類を見たパターンなのが残念ではありますが、トリオとは思えないほど綿密に練られたアンサンブルに聴き応えはあると思います。あと8曲目 「鉄」 には青木裕 (元downy/unkie) がゲスト参加。一聴してすぐこの人だと分かる陰鬱なギターワークは健在。ひどくシンプルな単音でも個性を持って響かせられるというのは凄いことだよなーと。


Rating: 6.6/10
Links: 【公式】 【MySpace