Pop. 1280 「Imps of Perversion」

Imps of Perversion

Imps of Perversion

ブルックリン出身の4人組による、1年半ぶり2作目。


70年代と80年代も生きている。鋭角に研ぎ澄まされたギターサウンドはフリーキーで不穏なフレーズを鳴らし、リズム隊もそれに呼応するように一打一打を鋭く響かせる。例えば Wire や Television などのアート・パンクから、 The Birthday Party のゴシック風味ジャンク・ロック、 Fugazi に代表されるポスト・ハードコアまでを統括し、若手ならではの初期衝動でぶっとばす生身のパンク・ロックです。鳴らす音とその場の臨場感、空気にまで緊張感が走っているのがよく分かる。皮膚をジリジリと焦がしてくるような、生々しい殺気にも似たムード。その中で言葉を吐き捨てるようにして歌うヴォーカルには何処かカリスマチックな魅力が感じられます。 「Lights Out」 「Dawn of Man」 など比較的真っ当にパンキッシュな曲があれば、まるで Public Image Ltd の再来かと錯覚する長尺ノイズ曲 「Nailhouse」 、シンセポップ要素も介入して Joy Division (ギターは Daniel Ash) ぽくなってくる 「Do the Angelfish」 など可変速で耳を劈く10曲。色々と固有名詞を出したのでそこに引っかかる人なら一聴をば。

Rating: 7.7/10