忘れらんねえよ 「空を見上げても空しかねえよ」

空を見上げても空しかねえよ(通常盤)

空を見上げても空しかねえよ(通常盤)

2008年結成の3人組による、1年7ヶ月ぶり2作目。


昭和フォークからの影響も見られるノスタルジックなメロディに乗せて、ストレートに綴った感情、情景を全力で歌う。それは銀杏BOYZサンボマスターをすぐさま連想させるスタイルなわけですが、自らへたれを自称するだけあって全体的にこう、ふにゃっとしてる。演奏力であったりヴォーカルの張りといった面で、肉食的な押しの強さ、アクの強さが漲っていた銀杏サンボに比べると線が細い草食系なのですね。ただそれが一概に悪いとは言い切れず、情けなく不甲斐なくとも自分なりに全力でもがく様を生々しく曝け出した、その姿には所謂ドブネズミの美しさが宿っているようにも思います。あまねく世にある全てのバンドのテーマソング 「バンドワゴン」 で幕開け、 「戦う時はひとりだ」 「この高鳴りをなんと呼ぶ」 など言いたいことを凝縮したキャッチーなフレーズの応酬。その中で最もテンションの高さと男らしい哀愁がクロスした 「僕らパンクロックで生きていくんだ」 は秀曲。パンクロックをあなたにとっての大切な何かに置き換えれば、そりゃーヤケクソに叫ぶしかなくなりますよね。あとは遅れてきた日本語パンク、以上のオリジナリティがあれば。

Rating: 6.8/10