cali≠gari 「10」
- アーティスト: cali≠gari
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2009/08/26
- メディア: CD
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空白の期間を経たからか、今作では何かと破綻しがちだったメンバー各々のイニシアチブが均等になっており、彼らのカタログ中最もトータリティの優れた内容と言えるかも。 GOATBED の経験が大きいであろうチープな近未来感を演出するエレクトロサウンドと、タイトなバンド演奏 (相変わらずベースが冴えまくり) が自然な形で融合したニューウェーブポップス。しかし彼らが海外の所謂リバイバル勢と違うのは、やはり日本産の80年代エレポップやナゴム/トランスなどのアングラ有象無象も通過した故のアクの強さがあるから。初期 BUCK-TICK みたいな軽薄ビートロック 「偶然嵐」 「月光ドライブ」 、アッパーな可変速パンク 「マッキーナ」 「混沌の猿」 なんかで見られるギャグスレスレのユーモアにも、裏で不敵な笑みを浮かべてそうな確信犯的したたかさを感じます。歌詞もメロディも切なく刺さる青氏作 「スクールゾーン」 「電気睡蓮」 にしても、以前のように作品内で浮かずに程良いアクセントとして調和してる。様々なジャンルを食い漁る節操の無さは後退しましたが、逆に異能ニューウェーブポップ集団としてのアイデンティティをハッキリと提示した、期待以上の充実作であります。