黒色すみれ 「Cosmopolitan」

Cosmopolitan

Cosmopolitan

2004年結成の2人組による、2年9ヶ月ぶり6作目。


何を勘違いしてたのか、黒色すみれって80年代くらいから活動してると思ってたんですよね…意外に若かった。しかしながら楽曲はまるで若さを感じさせない (笑) 昭和デカダン・ゴシック趣味に彩られた、煌びやかで毒々しい世界観が目一杯に展開されています。楽曲のメインとなるのはアコーディオン、ヴァイオリン、チェロといったアコースティック楽器、そしてゆか嬢の朗々としたオペラヴォーカル。ワルツ、タンゴ、あるいはシャンソン、後半に入ると軍歌、ラテン、シンセポップまで。もはや節操のない勢いで様々な音楽要素を詰め込めるだけ詰め込み、その全てをゴシック色に塗りたくってしまうという胃袋の強靭さ。例えば ALI PROJECT などと同じように、基盤となる世界観が揺るぎなければ多少強引だろうが何をしても良しということで、痛快とも言える遊び心が全編に溢れています。また今回は今井寿がゲスト参加し、 「葬列」 ではブルージーなギターを、 「チューリップ狂」 では余所行きの落ち着いたヴォーカルを披露しており、こちらはこちらで妙な存在感を放っていたり。おそらく日本でしか生まれ得ない幻惑の見世物小屋ポップワールド。

Rating: 7.8/10



【Short ver.】黒色すみれ「ラピスラズリ」2014年11月5日よりiTunes先行配信! - YouTube